srv3 とは?YouTube の色付き・カラオケ字幕の形式
更新日:2026年10月2日
srv3 は YouTube 独自の字幕形式で、YouTube Timed Text とも呼ばれます。拡張子はたいてい .srv3 か .ytt です。もっとも一般的な SRT と違い、srv3 は文字の色、縁取り、画面上の位置、そして 1 文字ごとのタイミングを記録できます。YouTube でよく見る、歌に合わせて色が変わるカラオケ字幕は、ほとんどが srv3 で作られています。
srv3 という名前の由来
YouTube の字幕システムは内部でこの形式を「srv3」(バージョン 3)と呼んでいて、ファイルのルート要素にも format="3" と書かれています。yt-dlp で字幕をダウンロードするときに srv3 形式を選ぶと、このファイルが手に入ります。一方、色付き字幕を作るコミュニティのツール(YTSubConverter など)では YouTube Timed Text と呼ぶのが一般的で、.ytt として保存します。中身は同じで、拡張子が違うだけです。
YouTube 公式の「サポートされている字幕ファイル形式」のヘルプには srv3 は載っていませんが、実際には YouTube Studio でアップロードでき、コミュニティでは何年も前からこの方法で色付き字幕が作られています。
ファイルの中身
srv3 は XML のテキストファイルです。<head> でスタイルを定義し、<body> に字幕を 1 行ずつ並べます。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<timedtext format="3">
<head>
<pen id="0"/>
<pen id="1" fc="#FFFFFF" ec="#000000" et="3"/>
<pen id="2" fc="#5B8CFF" ec="#000000" et="3"/>
<pen id="3" fo="0" bo="0"/>
<ws id="0"/>
<wp id="0"/>
<wp id="1" ap="7" ah="50" av="95"/>
</head>
<body>
<p t="1000" d="2000" wp="1"><s p="3">​</s>​<s p="1">Sing along</s></p>
</body>
</timedtext>
<pen>:文字のスタイル。fcは文字色、foは文字の不透明度、ecは縁取りの色、etは縁取りの種類、szは文字サイズ(パーセント)、fsはフォント、b・i・uは太字・斜体・下線です。<wp>:画面上の位置。apはアンカー(0~8 で、画面を 9 分割した位置に対応)、ah・avは水平・垂直位置のパーセントです。<ws>:ウィンドウのスタイル。文字の揃え方などを指定します。<p>:字幕 1 行。tは開始時間、dは表示時間で、単位はどちらもミリ秒です。<s>:字幕の中の 1 区切りのテキスト。pで使う pen を指定します。
例の中には、YouTube に合わせるために入れてあるものが 2 つあります。画面の表示には影響しません。
- id 0 の空の定義:iOS アプリは最初の pen の背景設定を無視するため、各定義の先頭には使わない空の項目を置いています。
- 字幕の先頭の
​:​は目に見えないゼロ幅スペースです。先頭に透明な pen 3 のゼロ幅スペースを置き、続けてどの<s>にも属さないゼロ幅スペースを置くことで、YouTube が歌詞部分のスタイルを残してくれます(理由は下の「YouTube での制限」を参照してください)。
フォント
srv3 にはフォント名を書けません。fs で YouTube が用意している 7 種類のフォントから 1 つを選ぶだけです。
fs |
フォント | 種類 |
|---|---|---|
| 省略または 0 | Roboto | 既定 |
| 1 | Courier New | 等幅セリフ |
| 2 | Times New Roman | セリフ |
| 3 | Lucida Console | 等幅サンセリフ |
| 4 | Roboto | サンセリフ |
| 5 | Comic Sans MS | カジュアル |
| 6 | Monotype Corsiva | 筆記体 |
| 7 | Carrois Gothic SC | スモールキャピタル |
どれも欧文フォントで、中国語・日本語・韓国語の文字は含まれていません。こうした文字は端末にある別のフォントで表示されるため、フォントを変えてもこれらの文字は見た目が変わらず、英字と数字だけが変わることがあります。
SRT、WebVTT、ASS との違い
| 機能 | SRT | WebVTT | ASS | srv3 |
|---|---|---|---|---|
| 文字色 | 一部のプレーヤーが <font color> に対応 |
対応 | 対応 | 対応 |
| 縁取り・影 | 非対応 | 一部のみ | 対応 | 対応 |
| 画面上の位置 | 非対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 文字ごとのタイミング(カラオケ) | 非対応 | 対応(行内のタイムスタンプ) | 対応(\k) |
対応 |
| YouTube へのアップロード | できる | できる | できない | できる |
ASS はもっとも機能の多い字幕形式で、アニメのファンサブなどでよく使われますが、YouTube は ASS を受け付けません。YouTube で色、位置、カラオケ効果を残したいなら、srv3 に変換する必要があります。
カラオケ効果の仕組み
srv3 には「この文字は何秒に色が変わる」というタグがありません。カラオケ効果は同じ字幕を少しずつ変えて繰り返すことで作られています。1 行の歌詞を何件もの字幕に分け、1 件ごとに「歌った後」の色の文字を 1 つずつ増やしていきます。
読みやすくするため、下の例では先頭のゼロ幅スペースを省いています。
<p t="1000" d="400"><s p="2">Sing</s><s p="1"> along</s></p>
<p t="1400" d="1600"><s p="2">Sing along</s></p>
この 2 件の字幕は切れ目なく続いています。1 秒の時点でまず Sing の色が変わり、1.4 秒で行全体の色が変わります。タイミングを細かくするほど字幕の件数は増え、1 曲で数千件になることも珍しくありません。手で書くのは難しいので、ツールで生成します。
srv3 には別の書き方もあります。<s> に t 属性を付けて、各単語を指定した時間に表示させる方法です。YouTube の自動字幕が 1 語ずつ表示されるのは、この方式によるものです。
同じ時間に 2 件以上の字幕を出すこともできます。位置をずらしたり縁取りを変えたりして重ねれば、影や二重の縁取りを表現できます。
YouTube での制限
以下は YTSubConverter の説明 をまとめたものです。作り始める前に知っておくと、つまずきにくくなります。
- YouTube Studio のプレビューではスタイルが見えません。 アップロード後、Studio の字幕エディターには書式のないテキストが表示されますが、これは正常です。Studio で編集しなければ、通常のプレーヤーではスタイルが表示されます。Studio で字幕を編集すると、スタイルが消えることがあります。
- スマホアプリの表示は簡素です。 スマホアプリでは背景を指定できず(常に黒)、ルビ(振り仮名)は括弧に入った普通の文字になります。
- 中央から離れた字幕は、シアターモードで左右に寄ります。 画面の左右に置いた字幕は、パソコン版のシアターモードでさらに端へ寄り、動画の外にはみ出すこともあります。
- 各行の最初の区切りのスタイルが消されることがあります。 YouTube はアップロード時、各字幕の最初の区切りのスタイル設定を削除します。ただし、その字幕にどの区切りにも属さないテキストがある場合は削除されません。先頭に目に見えないゼロ幅スペースを置くのが一般的な対処法で、Kara3 は書き出し時に自動で処理します。
- フォントは 7 種類だけです。 上の表のフォントしか使えず、ほかのフォントは指定できません。
- 文字サイズは変化の 4 分の 1 しか反映されません。
szを 200% にしても実際は 125% までしか大きくならず、小さくしても 75% が下限です。
Kara3 で srv3 を編集する
Kara3 は、インストール不要で使える無料の srv3 エディターです。繰り返された字幕を 1 行の歌詞にまとめ直すので、文字、タイミング、色、位置をそのまま編集でき、書き出すときに繰り返しの字幕を自動で生成します。解釈できない部分は元のまま保持され、壊れることはありません。
カラオケ字幕を一から作るなら「カラオケ字幕の作り方」を、SRT や ASS の字幕がすでにあるなら「SRT・ASS を srv3 に変換する」をご覧ください。